【届けられない想い、この島で待っております】香川県粟島の「漂流郵便局」で手紙を読みに行く旅に出かけてみませんか。

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毎月第二第四土曜日の昼過ぎ3時間しか開局しない郵便局があるのをご存知ですか?

その郵便局は「届かない手紙」を預かってくれます。

 

こんにちは、やかずです。

国内旅で、どこか定番観光地っぽくない、素敵な場所や経験をちょっとでもしてみようかな。と考えている方はいらっしゃいますか。

今回僕から、香川県粟島の「漂流郵便局」を紹介させてください。

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【漂流郵便局とは】

香川県、瀬戸内海に浮かぶ「粟島」という小さな離島にある

郵便局と名をうったアートミュージアムのような施設です(実際の郵便業務は行っておりません)

局内には「届けられない想い」の詰まった手紙が各地から送られ、たくさんのブリキ箱の中に預けられております。それを手に取って閲覧できる施設です。

もちろん漂流郵便局に想いを綴った手紙を今から出すこともできます。

 

 

 

 

 1枚1枚の手紙は局内のどこにあるか分からない。偶然に想いを馳せよう】

局内の手紙は自由閲覧で「どこに戻すか」も来局者の自由なため、目的とする手紙を探し出せるかもわかりません(だから「漂流」郵便局なのです)

 

つまり、漂流郵便局を訪れる=あなた自身が偶然手に取った手紙に想いを馳せることができる。そんな素敵な旅になり得るのです。

 

 

僕も2017年の冬に訪れました。

その際、偶然僕が手に取った手紙をご紹介します。

(※個人情報等が特定できないよう大幅に修正編集してあります)

 

たとえば、未来の自分へ

いま、ぼくはなにをしているでしょう。

麻すい科医で、人の命を助けているでしょう。

 

ぼくは人の命を助けたいです。そしてみんなに喜んでもらいたいです。

今からたくさん勉強して大学へいきたいです。そしてたくさんのかん者さんを助けたいです。

 

失敗しないように勉強して一流の麻すい科医になりたいです。また未来であいましょう。

 

 

10年後のわたしへ

今年3月、病が発覚し、4月から毎月その病と闘っています。

毎月の治療をする度「毎月闘って、ずっと毎月勝ち続けられるんだろうか。元気になれるんだろうか」と不安だらけ。

(中略)

「10年再発しないなら大丈夫」と担当のお医者さんは言ってくださるが、わたしは元気でいられるだろうか。

初孫も10歳、そしてそのころ新しい孫は何人いるだろうか。娘は結婚して幸せだろうか。

今は家族にこんな病気の心配ばかりさせて、いいお母さんじゃありません。

家族にどうしても恩返しがしたいから、

10年後の私、どうか健康でいてください。

 

 

たとえば、大切な人へ

私が片思いしていた〇〇くんへ

 

高校の時、私は〇〇君が大好きでずっと追いかけてましたね。今思うと恥ずかしいことばかりして自分でも「オイオイ」ってかんじです。30歳の今どうしているだろう。顔もうっすらとしか思い出せなくなってしまったけど、彼女のこと忘れらない君を私、許せなくてごめんね。あの時傷ついた私ももう許すよ。

(中略)

元気だったらいいね。本当に、奇跡でまたあえたらすごいね!

そうであっても、そうでなくても大切な人だから、ちゃんといきててね。

 

 

たとえば、人以外へ

買えなかった傘へ

もうすぐ梅雨の時期ですね。あなたとの出会いを求めて、〇〇街の〇〇(百貨店)へ行きましたが、お互いのフィーリングが合わず、今回は巡り合えませんでした。〇〇地方が梅雨入りする前に、あなたを見つけてみせます。どうか待っていてください。

 

 

 

 ここでは載せられないような

悲しい想いの詰まった手紙(大体が先立たれた大切な人宛)も多く届いており、涙なしには読んでいられませんでした。

じっさい水滴がにじんでいた手紙も多数ありました。

 

 

また実際に届けたい相手に届かない(いろんな意味で「見られない」)ケースが多いからか、

自分の想いに率直な言葉で書き綴られている手紙がほとんどでした。

 

 

 

誰が差し出したのか、送りたかった「その人」は誰だったのか、僕にはわかりません。

ただ、いえるのは誰かの中にその「想い」が確実にあるということ。

その「想い」はこの郵便局で今日も漂流し続けているということ………….

 

国内にありながら足を運ぶハードルはかなり高め(開局が月に2回とアクセス)ですが、

みなさんも是非。

 

 

アクセス:JR予讃線詫間駅からバスで約20分、須田港から定期船で粟島へ

開館日:毎月第二第四土曜日13:00~16:00のみ

質問は漂流郵便局では受け付けてなく、三豊市産業政策課までとのことです。(僕も当初、開局予定日を政策課に電話で確認しました)